大学生の夏休みなんだから、前回の更新から圧倒的成長をして圧倒的な進捗を上げているに違いない。。。そんな上手い話はありません!新作の機体ができたことくらい。機体が何台できたってソフトがしっかりしていなければ大会でいい結果も残せない。ソフト面での進捗はゼロではないですが、まだ実行に移せていません。
3週間前の僕「斜め走行のモジュールは作ったけど、今の機体で調整しても新作に移植はできないし、PIDゲインなんてガバガバ過ぎて、これで調整してもいいことない。PIDのゲイン調整を今からやっても直ぐにバラすのではやる気が出ない。」
という感じで夏休みの半分弱を適当に過ごしました。

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三国花火大会に行ったり、

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FA機器.comさんの「メカトロ部品学生無料」に参加させていただいたり。

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沢山の部品を譲っていただき、本当にありがとうございました。
特に以下の品が(個人的に)嬉しかったです。
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2SC5200というNPNパワートランジスタ95個と、

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カレントトランス沢山です。
普通に買うとトランジスタの方は1つ200円で、CTの方は1000円近くするようです。2SC5200は中高生の時によく使っていたので懐かしいです。昇圧回路作ったり、自作電源作ったり・・・
カレントトランスの方は、テスラコイルのフィードバック信号を受けるために使わせていただこうと思います。今までは、価格や適切な巻き数のCTがないなどの理由で自作のCTを使っていましたが、ここまで数があると、複数段使ったりして巻き数比の融通が利きくようになります。お金持ちになった気分で使わせていただきます。ありがとうございます。

その他、お盆はいとこの家で3泊したり、
福井から三重県の伊勢神宮まで運転してみたり、
一日中睡眠チャレンジをしてみたり・・・
充実とまではいかないものの、色々楽しいことしてました。

進捗が乏しいことの言い訳に時間を使って本題に入るまでの前置きがクソ長くなってしまいました。

新作マウスの紹介をします。
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機体名:バイファイラ(Bifilar)
基板厚:1.0mm
マイコン:RX631
センサー:ST-1KL3A(フォトトランジスタ)
MPU6000(ジャイロ)
  IE-512(エンコーダ)
モーター:Faulhaber_1717
バッテリ:LiPo_2S(7.4V)240mAh
重量:90g(バッテリー含む)
サイズ:100*69*24(ケーブル除く)

バッテリーは現在発注中で、上の写真では120mAhを使っています。また、置き場所もモーターの後ろにスペースを作ったのでそこに置く予定です。スイッチがバッテリーの下敷きになって押しづらい状態です。このバッテリーは薄くていいのですが、横幅が結構あるのでタイヤのトレッド幅を縮めた機体では、後ろに置くことができません。バッテリーはAliexに注文したのでいつ届くかわかりませんが、まあ気長に待ちましょう。そろそろ3週間経つので届いてもいいころです。名前に関してですが、これからは何かに統一した名前にしていきたいと思います。これからのコンセプトは"フィルター"です。フィルター回路を少しでも勉強したことがある人ならわかると思いますが、トロイダルコアに電線を巻き付ける際に、その巻き方にバイファイラ巻きというのがあります。このような関連でやっていこうと思います。トレーサーもです。

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前作との比較です。センサーの数が増えていることが一目でわかると思います。それとモーター辺りに肉抜きの部分。

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モーターマウントを見るとわかりますが、左が新作で、モーターを1mm下に落としています。なぜ1mmかというと、基板厚が1mmだからです。落とし過ぎてもいけません。

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そして基板にミスが発覚。回路的なミスではなく、モーターが入らないという物理的なミスです。上の写真と比較するとわかりますが、肉抜きを更に拡張しています。2mmにしないといけない部分を3mmで設計していました。(どうして気付かなかったんだろう・・・) それに伴い、削った部分の配線も粉になってしまったので、UEW線でなるべく見えないように繋げました。少し見えてしまうので、今度緑色のUEWを使おうと思います。画像ではレギュレータが外されていますが、これは5Vラインがショートしていたのでトラブルシューティングで外したものです。モーターのコネクタと壁用のLEDを取り付けた途端レギュレータが熱々になる症状が出ました。取り合えずテスターで導通チェックをして、5Vラインのショートを見つけ、レギュレータやコンデンサなど、問題があるかもしれない箇所を取り外していきます。それでも尚導通する5Vライン・・・結局問題があったのは6Pコネクタでした。はんだを流し込み過ぎたみたいで、黒いプラスチックの中で隠れて導通していたようです。これくらい小さな基板なら順を追って動作確認していたらトラブルシューティングも早いのですが、もっと大規模な基板の修理なんてやりたくないものです。そもそも、今回の肉抜きの寸法ミスをしても、1枚の基板なら手作業でどうにでもなりますが、これを仕事にしようと思うと、一か所間違えただけで大規模な損害になってしまったりするので、この手の職はレベルが高いとしみじみ思います。プログラムを書く仕事もやってみて大変だと気付いたし、基板設計や回路設計も仕事にはなぁと思ったりして、趣味にしてるからこそやりたくない仕事という、子供が考える「趣味を仕事に」とは一味違うものを感じます。
話が脱線してしまいました。

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モーターを4mm前に出したので、いい形に収まっています。前作と比べて、トレッド幅が広まったように見えますが、実際には前作より更に1mm縮めています。コンパクトになったので目の錯覚が起きています。というか早くモーターのケーブルを短くしないといけませんね。ケースに入れて持ち運ぶ時も支障をきたしています。何より機体を迷路に入れたとき、ケーブルに当たって初期位置がズレることがあります。何かと後回しにしてしまう部分ですが、一番見た目に影響を与える部分でもあるので早めに。

簡単に動作確認をしてみました。
パソコンにセンサー値やジャイロの値、エンコーダー値を表示させて動作確認をしてもいいですが、一番手っ取り早いのは前作の機体のプログラムをちょっとだけ弄って流用して走らせること。一発で動いてくれたので嬉しくなりました。ハード製作は過去最速で完成したような気がします。殆ど前作の流用なのでノーカウントかもしれませんが、基板設計とマシン設計は2日、CNC加工は3時間、はんだ付けは
8時間で完成です。前作の反省点を生かし、結構気に入った機体に仕上がりました。この記事のタイトルが「気付いたら」になっているのも、結構早いスピードで完成したからです。

そういえば、まだマイナーな部分の変更点と、なぜ細かいことなのにわざわざ作り直したかを書いていませんでした。まずはセンサーがまともになったことです。今までのセンサーは、海外から安物を輸入して使っていたのですが、実は右壁と左壁のセンサー値は左右で倍違います。一応それっぽく走らせることはできるものの、これから制御を詰めていこうと思うと、ソフト側ではなんとかならないレベルで質の悪いセンサーです。これからは正規品を買おうと思います。それにしてもフォトトランジスタが10個で三千円って高くないですか?基板を10枚発注して2500円なので基板の方が安い。
次に段差が2mmまで許容範囲になったこ とです。今までは0.5mmの段差が精一杯でした。というか、前方部分は摩擦を軽減するテープが常に地面と擦っている状態で、ブレーキの時はタイヤのグリップはかなり低下していました。今回は車高を1.5mm上げたので、段差対策にもなりますし、ブレーキングの安心感も上がりました。
次に壁切れをしやすいセンサー配置にしたこと。実は少し横壁センサーの角度を変えています。基板の肉抜きを前作と比較すると、若干形が違うのが分かります。本当にこれがいい角度なのかはやってみないとわかりません。もしかしたら全日本までにもう一台作ってるかもしれません。
そして真ん中についてるセンサーについてですが、このセンサーは先輩に進められたわけでもなく、自分が欲しいと思ったので付けました。これがあると、探索の時変な場所を見て前壁があると誤判定することもなくなりますし、連続スラロームのときの位置補正ができます。これは先輩に教えていただいたことです。そして何より、未探索加速ができるのではないかと期待しています。探索走行を見ててつまらないなと思うのは、一直線なのにスラロームしやすい速度でノロノロ走っているからです。2区画先まで正確に判断できれば、直線を行ける時は加速することができます。これをしようと思ったら、今の足立法では対応できませんが、少し弄ればいけそうなので夏休み中に頑張ります。マウス十則にもありますが、探索のスピードを求めるのは一番最後のことです。斜め走行等を実装してから探索の速度を上げようと思います。
そして最後に、なぜわざわざ作り直したか。それは前作マウスがトレーサーのメイン基板となるからです。トレーサーのセンサー位置や、ちょっと変わったことに挑戦することもあって、頭の中でシミュレーションするよりも、実際に作ってみるのが確実です。マウスでスピードを出すのも楽しいですが、ライン上でスピードを出すのも楽しそうです。車と違って失敗してもOKなので、スリップ限界まで速度を上げられることは結構魅力的です。

今月の進捗はこれくらいです。マウス、トレースの両方ともソフト側の進捗もそこそこあるのですが、まだ機体ができていないので実行できません。早くバッテリー届いてほしいな。勿論、来月には斜め走行ができるようになっていて、トレーサーのプロトタイプ機も動いているよな。うんうん。