記事を書くのが遅れましたが、夏休みの進捗を書いていこうと思います。
 今年の夏休みの目標は、マイクロマウスは斜め走行ができるようになること。ロボトレースは試作機を完成させることでした。結果から言うと、ロボトレースは今年出場を止めることにしました。まずはマイクロマウスで基本的な制御ができるようになってからロボトレースに手を出そうと思います。機体を増やしてしまうと、これからDCモーターの扱い方やモード選択の基本的な部分など、変更することを全て2回ずつ書かないといけなくなってしまうからです。時間がいくらでもあるならやりたいのですが、大学生と言えども授業は多いしレポート等大変になるみたいだし、マイクロマウスと共倒れにしない為にも、ロボトレースは今年諦める選択が有力になりました。まずは基本的な制御の技術を身に着けたいです。

 ということで、今年はロボトレースの話はでません。マイクロマウスとその他諸々になります。さて、マイクロマウスについては色々と進捗がありますが、まずはタイヤの話から始めます。

タイヤの物理学
 (なんで進捗報告にいきなりタイヤの話になるんだよ. 摩擦のことは遠の昔に学習済みだぞ)と思われる方もいるかもしれませんが、私が夏休み中に一番時間を割いたのはタイヤについてです。Twitterで何度も長文ツイートを連投していて呆れた方もいるかもしれません(それでも控えめにしていました)。タイヤには高校物理では説明できない奥深さがあります。
 タイヤは、車体が路面と接している唯一のパーツであり、モーターの動力を地面に伝え、遠心力を打ち消そうとしてくれる重要な部分です。マイクロマウスのハードに置いて、1,2位を争う重要パーツですが、去年の全日本マイクロマウス大会の皆様のタイヤを拝見していると、マイクロマウスにはナロータイヤ、ロボトレースにはワイドタイヤを使うのが一般的になっているかと思います。機体の重さはそれほど変わっていないのに、なぜタイヤの幅を変えるんですか?客観的に考えると、マイクロマウスは車幅が小さくないといけないからグリップが下がってでもナローを使って、ロボトレースは横幅の制限が緩いからワイドを使うと考えられるのですが、そもそもタイヤの幅は軽い機体に置いてグリップと関係しません。一見ワイドタイヤを使うとグリップが上がったかのように錯覚するかもしれませんが、それは機体の重量が重くなったからだと思います。グリップを上げる方法は機体を重くするか摩擦係数の高いタイヤを使うことです。機体が重いと遠心力も同様に大きくなり、結果的にコーナーでスピードを出すこともできません。さらに加速に必要な電流も大きくなり、加速度も悪くなります。また、タイヤは機体の唯一回転する部分でり、タイヤを重くすると加減速する際に慣性モーメントが効いてきて、機体自身の重さをいくら軽くしても、タイヤの少しの重さが機体のポテンシャルを大きく下げてしまいます。
 こう考えると軽いタイヤの方が動力性能が上がるのではないでしょうか。今まで周りの人に合わせて選んでいて何も考えていない人もいるかもしれませんが、この機会に一緒に考えてください。

 詳しい話はまた時間があるときにしっかりまとめようと思います。今回は序論だけ。今考えているタイヤの話のネタは
・タイヤの重要性(今回の序論)
・タイヤの幅とハイト
・タイヤの直径
・タイヤの扁平率(上のまとめ)
・摩擦力の種類
・キャンバー角
・まとめ(結局どうするか)
を考えています。これらをまとめるのは時間かかりそう・・・


 さて、マイクロマウスのハードの進捗は、バッテリーを自作の物にして置き場所を変えたことと、タイヤを高扁平率の物に交換したことです。ここまでタイヤについて考えてきましたが、今の機体にキャンバー角をつけたり、タイヤの大きさを変えてしまうと、色々と別の問題ができてきまして、タイヤだけを考えて変更しても相応の効果が得られないと判断しました。ただ、今まで使っていたタイヤはハイトが低く、変なタイミングで20度と30度のタイヤが混ざってしまったものを適当に使っていたので、これを機会に交換しました。今回はちょっと分厚めのタイヤです。剛性は下がりますが、変形損失摩擦による遠心力対抗性能を求めて試験的にやってみました。中々いい感じだと思います。
 バッテリーについては、120mAhのものから240mAhに交換しました。
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Aliexで注文していたので、相変わらず遅い到着でした。なぜ容量を2倍にしたかというと、Aliexに放電容量の表記があるものが、240mAh以上のものにしかなかったからです。もっと時間をかけて探せばあるのかもしれませんが、サイズ的にもよかったので、これにしました。1Sなので、それを二つ直列にして使います。2Sでは加速度がでないので、3Sにするかと少し考えています。バッテリーは10個入りで、2Sを2セット作ったので、あと6個残っていて3Sを2セット作るのに丁度いいんです。最初はバッテリーがショートしてしまった時を考えて多めに買ったのですが、ショートさせることなんてそう起きないでしょう・・・
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サイズもピッタリです。容量が今までの2倍ですが、重さは1g程しか変わっていません。それだったら充電の手間が1/2になった方が、マウス初心者の内は有意義だと思います。

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ついでに充電器も作りました。Aliexで1つ20円しないものですが、十分に使えています。2Sの充電を2S分同時に行おうとすると、絶縁電源が2つ必要になります。そこで絶縁電源を自作してもいいのですが、ノートパソコンとモバイルバッテリーがあるなら、それは絶縁されているので使用可能です。サークルの充電器をお借りしなくてもよくなったので、開発が捗ります。


ソフトの進捗は、一番は斜め走行ができるようになったことです。
※この動画はスラロームの調整を±30mm程度で妥協して適当に作って、壁補正に任せてやってみています。

 条件文が多くて大変でした。斜め走行は夏休み始めの頃にモジュールを作って、新作の機体が完成してから実装し、1日バグ潰しをしたら動くようになりました。ここからが闇デバッグの始まりなのですかね。闇デバッグよりもスラロームを効率的に生成できる何を考えないといけません。今考えているのは、指定した速度と角度と半径で角加速度を演算して、三角角加速をできるようにするというのが有力候補です。理論値でなら少し考えれば実装できますが、問題なのはスピードを出した状態では理論値通りいかないところです。今年中に何らかの方法を考えて、理論値と実測値がある程度合う方法を探ろうと思います。最短経路を導出させるのはその次の話です。まず変則四輪というのがあまり気に入りません。次回作は二輪の吸引でいこうかと考えています。それならスピードを出してもある程度理論値通り行ってくれるのかな?その前に直進安定性が取れなくて死ぬのだろうか。壁があれば安定しそうな気もするけども。
 そして新たな補正を追加しました。こうやって色々な補正を追加していくとなると、汎用性の高いプログラムの書き方が要求されます。大体私は大会直前になってその場しのぎしかしてこないので、このような時に時間をかけて汎用性の高い書き方に変更しています。柱補正自体難しくもなんともありませんが、今のプログラムに追加することに時間が必要で、プログラミング向いてないなと思う次第です。

ここまではなんか可愛い走りをしていますが、ターン速度を1m/sに変えたらそこそこ速く見えるようになりました。
まだ上手いこと制御できていないので、一般的な1m/sより遅く感じるかもしれません。因みに、櫛補正とは角度補正のことです。壁補正ができないときは角度だけでも合わせておきたいものです。私のマウスは角速度の追従が全くできていないので、スラロームの角度が合わないんです。それを何とかしてくれるのが角度補正。探索でも角度補正がないとまともに走りません。何かバグがあるような気もするなぁ。

そして色々なバグを取り除いて滑らかな走りができるようになりました。しかし、この走行もスラロームに根本的なバグがありまして、壁補正でなんとか走らせている状態です。この時はまだ壁切れ補正はないので、指定した距離で合わせています。速度追従は我ながらいい感じでできていると自負しています。角速度の追従が悪くても壁補正と角度補正でなんとかなってしまうし、そのような補正を強化していった方が今後の為にもなるのかなと言い訳を作っています。
 今ではこのパラメータは上から3番目になりました。機体のポテンシャルは低くはないと思います。しかしまだまだ少し調整が必要です。特に足回りがよろしくない。
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ピニオンギヤがあまりにも滑るので、エポキシで固定している様子です。その翌日にはエポキシが割れて意味がなくなりました。ピニオンギヤとモーターシャフトの間に細い糸を挟むといいらしいとの噂を聞いたので、もう少し手を尽くしても上手くいかなかったら真似させていただきます。


その他おまけです
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金フラッシュの30cm PCB定規が手に入りました。Aliexで350円なので、気になる方はゲットしてください。

サーキットの練習をしている様子です。周りが逆ではないのか?と声が聞こえてきますが、これはタイヤのすり減り具合を均等にするために、大まかな調整は左回りにして、微調整を右回りにしようと考えています。中部地区大会のサーキットは凄いお方ばかりで参加しないでおこうと思っていましたが、N氏から背中を押されて参加することになりました。速く走れるコツ知りたいです!!(特にスラロームと経路導出についてお伺いしたいことが沢山あります...)

今年は経路導出には時間を使えないかなぁと半分諦めています。適当なことをすると想定外パターンにハマり、逆に遅くなってしまう場合もあるので下手なことはできません。いやー難しい。

そして最後に、Twitterのフォロワーが700人を超えました。今後ともよろしくお願いします。