この記事はMicro Mouse Advent Calendar 2019の3日目の記事です。

 昨日はtanihoさんの2019年に買って良かったものについてでした。ディスプレイアームは私も今年購入して満足しているので、ディスプレイの高さや角度に不満がある人は購入の検討されることをオススメします。
 ちなみに私が今年買ってよかったと思うものは寝袋です。研究室でも車の中でもいろいろな場所で快適な睡眠を取ることができるため、寝落ちギリギリまで作業に務めることができます。


 さて、今年の全日本マイクロマウス大会にはI.Sysから11台のマシンが出場しました。
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出場した競技は以下のとおりです。
・マイクロマウス(ハーフサイズ)0台
・クラシックマウス 1台
・ロボトレース 10台

 うちのサークルからマウスが1台しか出場できなかったのは私も責任を感じています。趣味のロボット開発はスケジュールを組むのが極めて難しく大会までに最善を尽くすのは至難の業です。日常生活を送るだけでも精一杯だというのに、モチベーションに左右され調子がいいときと悪いときの差が激しく、なかなか思ったようには進みません。そんな中で後輩たちにモチベーションを与えるのが先輩の仕事だと思っています。
 私にモチベーションを与えてくれたのはInpさんそらさんに東日本地区大会で0.1秒未満の差で3位にされられたことです。おかしい、去年フレッシュマンだった方に勝てない。しかしもう少しハードを改良すれば勝てそうだということでマウスを魔改造する決断をしました。
 改造点はリポバッテリーを2Sから3S化したことです。実はモータードライバの最大定格が11-12Vで、リポ3Sの満充電電圧12.6Vでは耐圧オーバーしてしまいます。何年か前にあこちゃんが動作確認済みということで、電源装置で恐る恐る12.8Vをかけて動かしてみたところ、特に発熱もなく問題なく動いていたのでそのまま3S化しました。
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 壊れる部品はモータードライバとモーターくらいなので、焼けてもすぐに取り替えればいいだけの話です。結局、駆動用のモータードライバとモーターは今シーズン無事でした。
 学生大会のサーキットの試走でぶつかった衝撃により、吸引モーターの軸が曲がりロックして吸引用のMOS-FETが燃えることはありました。試走・本番で吹っ飛んだ原因は、吸引モーターの印加電圧を2Sのときのまま変更を忘れており、吸引力が低い状態で5.5m/s 26m/ssの減速をしたところ、グリップ抜けで壁に当たって吸引モーターの軸がやられました。

 3S化するにあたり、バッテリーの置き場が困りますね。2Sでピッタリになるようにマシン設計を行っているので、もう一つバッテリーを置くには吸引ファンの上になってしまいます。そこで、吸引モーター用のマウントを少し変更して、申し訳程度の低重心化を図りました。
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 そして完成したのがこのマシン 華金(ファージン)です。
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 やっぱり基板から作り直したいなと思いながらも、そんなに時間が残ってないのでこのまま調整することにしました。
 触ってすぐにわかった。宇宙人レベルマイクロマウス語録)が見えてきたなと。

それでは例年通り全日本大会で使用したパラメータを公開しようと思います。

1走目:探索走行
 加速度:15.0 [m/ss]
 直進速度:1.0 [m/s]
 旋回速度:1.0 [m/s]

2走目:最短走行 (学生上位勢、海外勢対抗パラメータ)
 加速度(加速):0-3.8m/s:20 [m/ss]
       :3.8-4.8m/s:18 [m/ss]
       :4.8-5.5m/s:15 [m/ss]
 加速度(減速):20 [m/ss]
 最高速度:5.5 [m/s]
 旋回速度:90deg:2.1 [m/s]
      in45deg:1.75 [m/s]
      out45deg:2.0 [m/s]
      in135deg:1.7 [m/s]
      out135deg:1.7 [m/s]
      180deg:1.8 [m/s]
      V90deg:1.7 [m/s]

3,4,5走目:最短走行 (宇宙人対抗パラメータ)
 加速度(加速):0-3.8m/s:25 [m/ss]
       :3.8-4.8m/s:18 [m/ss]
       :4.8-6.0m/s:13 [m/ss]
 加速度(減速):25 [m/ss]
 最高速度:6.0 [m/s]
 旋回速度:90deg:2.3 [m/s]
      in45deg:2.1 [m/s]
      out45deg:2.3 [m/s]
      in135deg:2.0 [m/s]
      out135deg:1.9 [m/s]
      180deg:2.0 [m/s]
      V90deg:1.9 [m/s]



 4走目でクラッシュしてパラメータを下げようかと思いながらも、落ち着いてマシンの様子を見渡すと吸引スカートが捲れている事に気づきました。すぐに軽微な修正をして同じパラメータで走らせたところ無事完走してくれました。いつから捲れていたのだろうか...

 MAXパラメータは使わなかったので公開する必要ないかと思いますが、優勝したので参考までに載せておきます。

MAXパラメータ
 加速度(加速):0-3.8m/s:28 [m/ss]
       :3.8-4.5m/s:23 [m/ss]
       :4.8-5.5m/s:17 [m/ss]
       :5.5-6.2m/s:13 [m/ss]
 加速度(減速):28 [m/ss]
 最高速度:6.2 [m/s]
 旋回速度:90deg:2.3 [m/s]
      in45deg:2.1 [m/s]
      out45deg:2.3 [m/s]
      in135deg:2.0 [m/s]
      out135deg:2.0 [m/s]
      180deg:2.0 [m/s]
      V90deg:2.0 [m/s]

 いかがでしょうか。対策されそうで怖いです。私は今年の地区大会をなるべく多く周り、上位勢の動画をたくさん撮ってきました。そして自分の走行と並べて比較し、パラメータを練りました。YouTubeなどに走行動画が上がっていますが、数年前の動画を見ても皆さんどんどん早くなっているのであまり当てになりません。常に最新の情報収集が最終出走でない出場者の優勝の鍵だと思います。最後は心理戦です。
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 また、2020 APEC micromouse contestに招待を頂きました。毎年クラシックマウスの上位入賞者が招待される大会のようで、とても名誉高いことです。3月16日に行われるそうなので、その日までにAPECルールに合わせた最善の走行ができるように精進してまいります。

 それと、今年注力したことは時間評価経路導出の実装です。実は全日本大会直前までデバッグしていました。今年の全日本大会の迷路は、経路導出を試される迷路でとても心配していましたが、似たような時間ベース経路導出をされているU氏と同じ経路を通れていたようで安心しました。次の課題は導出時間です。現状だと10秒ほどかかってしまい、最短走行を走らせる前に謎の待機時間が発生しています。これはAPECまでに処理の高速化ができればと思います。
 また、ハードにも色々な改善点があるので、それは次のマシン紹介記事で書こうと思います。できれば3月のデンソーカップまでに製作して、1週間後のAPECは新作で出場したいです。

 私は来年3月で学生生活が終わり、マイクロマウスは一段落かなと言っていましたが、N社長から「勝ち逃げは駄目ですよ?」と言われてしまったので、連勝目指して続けようと思います。半年前までは優勝争いなんてとんでもないもので、少しでも自分が参加した痕跡として爪痕が残せればいいなと思っていただけなのですが。

 長くなりましたが、今シーズンもお疲れさまでした。また来年、対戦よろしくおねがいします。


 明日のMicro Mouse Advent Calendar 2019H.S.さんで大会の感想・その他あったことです。よろしくおねがいします。